【完結】君の全てを奪いたい〜俺の愛で埋め尽くす〜

愛される証拠




「……奈都」

「咲哉……さん」

 咲哉さんの寝室にある広々としたベッドの上で、薄暗い部屋の中、咲哉さんを見つめるわたしに、咲哉さんは「奈都、頼むから今日は、奏人って呼ばないでくれよ?」とちょっとだけ笑いながら言った。

「……はい。言いません、絶対に」

 だってわたしが今、本当に好きなのは、奏人ではなく咲哉さんだから。

「いい子だ。ご褒美をやろう」

 そう言って咲哉さんは、わたしに甘く激しく口付けた。

「好きっ……咲哉さん」

「俺も奈都が好きだ」 

「はい……」

 その日わたしは、咲哉さんの背中にしがみついて、咲哉さんのその優しい温もりを感じながら、そのベッドの中で甘く、時々激しく抱かれた。

 咲哉さんに抱かれている時、わたしは嬉しさで涙がこぼれた。

「……奈都、泣くな」

 そんなわたしの涙を、咲哉さんは優しく拭ってくれた。

「ね、咲哉さん……」

「どうした?奈都」

 わたしの頬を撫でながら、優しくそう問いかけてくれる咲哉さん。
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