24時の鐘と俺様オオカミ
「あなたは“おうじ”じゃなくて“おおじ”でしょう」
「じゃあ、俺様で」
「意味がわかりません」


 絆創膏をひざに貼り付け、綿毛に触れるかのように優しく撫でる大路君。

 ゆっくりとした動きでこちらを見上げると、色素の薄いブラウンの瞳に、私を映した。


「可愛くない白雪姫だな」
「……どうして名前を、」
「これ。落としていましたよ、姫野白雪(ひめのしらゆき)さん」


 わざとらしい敬語で飾り付け、彼がひらりと見せたのは私の生徒手帳。

 ……落としていたらしいですね。
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