24時の鐘と俺様オオカミ
 一度言葉を飲み込むそぶりを見せてから、どこか悩ましげな笑顔を浮かべた。


(なぜ、そんな顔をするんですか)


 目の前のオオカミは、なぜか説明をためらっている。

 あなたはなぜこんなことをするの?

 その質問に彼は答えず、


「……姫野」


 投げるように名前を呼んで、わしゃわしゃと荒く頭を撫でた。


「やめてください乱れます」
「はいはい」
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