帝王と私~Darkness~
「そうだよね…!確かに!」
「それに付き合うとか決めるのは、周りじゃなくて本人でしょ?」
栞奈がニコッと笑って、弥生の頭をポンポンと撫でた。

確かにそうだ。
弥生が不安になりすぎているのだ。

「でも、人を好きになると不安ってつきものだよね!今何してるのかな?とか、自分じゃない異性が横にいるの見ちゃって、ヤキモチ妬いたりとか…」
と栞奈の言葉。
「え?」
「え?って何?弥生」
「あ、いや。ううん」

そういえば弥生は、貴将が自分以外の女性といる所を見たことがない。
弥生は男性社員といる所を、貴将も見られ嫉妬心を煽ったことが何度もあるのに。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
その日の夜、今回も激しく貴将に抱かれ、腕枕されて頭を撫でられながら何気なく聞いてみた。
「今日の弥生も可愛かった…!」
「貴将さんは普段どんな仕事してるの?」
「ん?どうして?」
「よく考えたら、あんまホテルにいるの見たことがないなぁって。
それにホテル支配人さんって、その仕事だけで忙しいでしょ?なのに、その…裏の仕事?までしてるし」

「んー。実はね、支配人業務は俺はしてないんだよ?
まぁ正確に言うと、俺はお飾りみたいな感じかな?支配人は別にいるんだ。
支配人とは血が繋がってない兄弟みたいな関係で、もともと共同でしてたんだ。俺が表に出て、伸雄…あ、その血の繋がってない兄弟が、中の業務をおこなう。でもその内、裏の仕事がメインになって…だから今はお飾り!」
「血が繋がってない兄弟……」
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