帝王と私~Darkness~
「そうだよ。俺は施設で育ったから……」
「え……?」
「ビックリした?」
「貴将さんも?」
「も?って、弥生もなの?」
「うん…」
「そうなんだ。そんなとこまで運命で繋がってるんだね…!」
「そうだね…なんか嬉しい……」
貴将が腕枕をしていた腕をスルッと抜いて、弥生を組み敷いた。

「なんか更に弥生が愛しい……。
弥生はきっと、ご両親に愛されて育ったと思っていたから」
「両親のことは知らないけど、施設ではたくさん愛されたよ!」
「そっか。俺は伸雄と二人で生きてきたんだ。俺も伸雄もお互いしか信用してない位に……」
貴将の雰囲気が、黒く染まってく。

「私は?」
「ん?」
「私は信用できない?」
貴将を見上げ、頬を撫でた。
「ううん。信用してるよ!もちろん!
言い方間違えたね。弥生と伸雄しか信用できない」
その弥生の小さな手を、掴んでキスをする貴将。

「私も会ってみたいな…伸雄さん」
「んー。そうだな…簡単には会えないよ。ごめんね。
それよりも、もう一回しよ?
弥生が愛しすぎて堪らない……」
「うん」
その後朝方まで、貴将の熱情を受け止めた弥生だった。

そしてパーティーの日を向かえた━━━━━━━━━━

その日の朝。
「じゃあ、また後でね!弥生」
「うん」
「弥生?」
「貴将さん、キスマーク見せて?」
「ん」
弥生は自分と貴将の手首のキスマークを見つめる。
今では弥生と貴将にとって、欠かせないお互いの愛の証のようになっている。

「よし!
また後でね!」
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