帝王と私~Darkness~
「弥生」
「は、はい!」
「その可愛い格好は何?」
「へ?」

貴将は妖しい笑みをうかべ、
「弥生は、俺を嫉妬で狂わせて楽しい?
いい度胸してるよね……!?」
と弥生の顎を掴んだ。
「さぁ、わかるよね?今から俺が何をするか」

キス…される…!?
「ま、待って!!貴将さん!」
こんな大勢の社員がいる前で、やだ!
と目を強く瞑る、弥生。

時がこの会場だけ止まったようだった。

その時だった。
「社長!!」
岡埜の声で、時が…この会場が再度動き出した。
「あ?」
岡埜が貴将に耳打ちする。
「また奴等か……。
弥生、ちょっと電話してくる。
ここにいて?」
「うん…」

会場のドアの方に歩き出す、貴将。
でもすぐピタッと止まり、
「あ、わかってると思うけど……。
後から……お仕置きね!」
と言って、一度会場を出た。

「スッゴいオーラよね…?帝王って!
こんなにたくさんの社員が、バッて割れたもんね……」
「うん…。
ほんと怖くて、綺麗な人」
「てか、お仕置き…大変ね。
やっぱ…そうなるよね…?」
「嫉妬で狂わせてってことは、私のこと可愛いって思ってくれたってことだよね?」
「は?弥生、おかしくなったの?」
「え?」
「もちろん可愛いと思ったから、嫉妬してお仕置きって言ったと思うけど……。
怖くないの?」
「怖いよ……でも、それ以上に嬉しい…。
私……貴将さんに出逢っておかしくなったみたい……」
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