帝王と私~Darkness~
「大変ね……。
帝王と付き合うと」
「うん…栞奈引いたよね…?私のこと」
「ううん。帝王の恐ろしさを見てから、そうは思わなくなったよ?
それに、弥生は大切な親友だし」
「ありがとう」

「一輝さん」
「あ、糸島さん」
「帝王様、紹介してよ?」
「あ、そうでした。もうすぐ貴将さん戻って来るので、その時に……」
「ほんと!?ありがと」

「………あの…糸島さん?」
「何?」
栞奈が糸島に声をかける。

「何か企んでるんでしょうけど、糸島さんが恥かくことになるんで、やめといた方がいいですよ?」
「何が?何も企んでないわよ!」
「だったらいいですが、一応忠告です」

栞奈の言葉の重みは多少は、糸島に届いてるだろう。
でも糸島は、自分なら貴将を手に入れられると思っていた。
自分の容姿や、仕事のレベルなどに絶対的な自信があったから。
この時までは━━━━━━━

「弥生、お待たせ。じゃあ…もう部屋に帰ろ?
お仕置きの時間だよ……!」
「あ、貴将さん。その前に紹介したい人がいるの……」
「は?友達のこと?別に紹介してもらう必要ないよ!もう知ってるし。弥生の大切な親友でしょ?」
と栞奈を見る、貴将。
彼氏持ちで、貴将にあまり興味ない栞奈でさえ、ドキッとする貴将の容姿。
思わず、栞奈も赤くなる。

「ううん。違うくて。
こちらの━━━━━━」
「帝王様、初めまして。
私、糸島━━━━」

「あぁ、俺がワインぶっかけた女」
「え━━?」
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