研究員たちの思春期〜恋の仕方が分かりません!〜

12.新年

31日の夜。
世の中がカウントダウンを少しずつし始める頃。

私は大掃除した後の小綺麗になった部屋で一人ご飯を食べていた。

大晦日と言っても、豪華な食事ではない。

今年は帰省できなかったな、と思う。
全然する余裕がなかった。

そしてふと思い浮かぶ理仁の顔。

理仁も今、一人で部屋にいるんだろうか。

その時、スマホが震えた。
画面に映る「林理仁」の文字。

テレパシーみたい。

そう思って電話に出る。

「孵化した」

突拍子もない報告。

「え?」
「卵!孵化したから、来て欲しい」

突然のリーダー命令。

ケース4の実験再開。

急いで着替えて準備をする。

油断してた。

こんな大晦日に産まれてくるなんて!
ケース4のオスであって欲しいミジンコども。


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