愛することを忘れた彼の不器用な愛し方
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新年度になり組織の職制が一新されることになった。何の因果か、私の所属する資材系のチームと日下さんの所属する調達系のチームが合併することになり、知らされたときは腰を抜かしそうなほどに驚いた。
なぜ、よりによって日下さんのチームがうちのチームと合併なのだろう。
今は嬉しいという気持ちよりもやりづらくてたまらない気持ちの方が大きい。幸い業務担当は全く違うので関わりは少ないのだが、席がぐんと近くなった。
あれからというもの、私は完全に日下さんへの接し方がわからなくなっている。尾行して気付かれてしまったのが気まずさの原因のひとつだ。そのあと逃げてしまったし。
席替えをして、日下さんの背を見て仕事をする位置にいる。
気まずいとか思いながらも、日下さんの後ろ姿を見てかっこいいだなんて思ってしまうあたり、私はまだ日下さんのことが好きだ。
後ろ姿だけでもかっこいいなんて罪だ。
気になってチラチラと見てしまうよ。