内緒の赤ちゃんごとエリート御曹司に最愛を刻まれました~極上シークレットベビー~
「あの頃、お父さんが連れてこいって言ってたのよ。天沢さんに、その息子さんを」
「副社長を?」
「そう。お前の自慢の息子を見たいなんて言って」
はじめて聞く話だった。
あの頃、天沢宗久はよく家に来て、父と酒を酌み交わしていた。
そういう時、高校生だった祐奈は挨拶はするけれど、同席はしなかった。
でもまさかその席で大雅の話が出ていたなんて。
「そしたら天沢さんが、息子とはいえ社員でもあるから、未熟な奴を重要な案件に同行させるわけにはいかないっておしゃって、……厳しく育てておいでだったのね」
「未熟な……」
祐奈は呟く。
今の彼からは想像もつかないけれど、働き始めてまだ何年も経っていなかったなら、そうだろう。
だから、宗久は息子を宇月には同行させなかった……。
そんなことを考えて頷く母を見つめながら、祐奈は突然、あることに気が付いた。
それは本当にあたりまえでわかっていたはずのこと。
……大雅は十年前のあの件にはまったく関わっていなかった。
彼が天沢宗久の息子であることにこだわるあまり、祐奈はそのことから目を背けていたのかもしれない。
でも今、改めて母の口から十年前の話を聞いて本当にそうだったのだと気が付いた。
……父親がしたことは、父親の罪であり彼の罪ではない。
「天沢さんの息子さん、とっても素敵なんですってね。お母さんの職場でも評判よ。天沢ホテルができたら、転職しようかな、なんていう人もいるのよ。ふふふ」
そう言って寛子は微笑む。
仏壇の前で声を殺して泣いていたあの母と同一人物とは思えないくらい穏やかに。
そんな母を見ていたら、なんだかとても虚しいような寂しいような気持ちになって、祐奈はぽつりと呟いた。
「副社長を?」
「そう。お前の自慢の息子を見たいなんて言って」
はじめて聞く話だった。
あの頃、天沢宗久はよく家に来て、父と酒を酌み交わしていた。
そういう時、高校生だった祐奈は挨拶はするけれど、同席はしなかった。
でもまさかその席で大雅の話が出ていたなんて。
「そしたら天沢さんが、息子とはいえ社員でもあるから、未熟な奴を重要な案件に同行させるわけにはいかないっておしゃって、……厳しく育てておいでだったのね」
「未熟な……」
祐奈は呟く。
今の彼からは想像もつかないけれど、働き始めてまだ何年も経っていなかったなら、そうだろう。
だから、宗久は息子を宇月には同行させなかった……。
そんなことを考えて頷く母を見つめながら、祐奈は突然、あることに気が付いた。
それは本当にあたりまえでわかっていたはずのこと。
……大雅は十年前のあの件にはまったく関わっていなかった。
彼が天沢宗久の息子であることにこだわるあまり、祐奈はそのことから目を背けていたのかもしれない。
でも今、改めて母の口から十年前の話を聞いて本当にそうだったのだと気が付いた。
……父親がしたことは、父親の罪であり彼の罪ではない。
「天沢さんの息子さん、とっても素敵なんですってね。お母さんの職場でも評判よ。天沢ホテルができたら、転職しようかな、なんていう人もいるのよ。ふふふ」
そう言って寛子は微笑む。
仏壇の前で声を殺して泣いていたあの母と同一人物とは思えないくらい穏やかに。
そんな母を見ていたら、なんだかとても虚しいような寂しいような気持ちになって、祐奈はぽつりと呟いた。