【完】片手間にキスをしないで
───『ほんと、奈央ってやさしいよねぇ。……ま、いいけど。くさった男ども、存分に痛めつけられるし、ね』
うん……間違いない。覚えてる。
綺麗なのに、どこか不躾にも感じられる、奇妙な笑み。男子たちに必要以上の傷を刻み付けた、奈央の元同級生。
「春永鮎世。前のガッコーで留年ったんで、また2年生やります。改めてよろしくね」
〝一見〟おちゃらけた彼のピースサインに、教室中が再び沸いた。