身ごもりましたが、結婚できません~御曹司との甘すぎる懐妊事情~
「会社でそんなことをするのは柊吾さんくらいです。体調が悪くなってもひとりでちゃんと医務室に行きますから」

明るく答える凛音に柊吾は不機嫌な顔を近づけた。

「そうじゃないだろ。体調が悪くなるくらいならしばらく休め。瑞生なら放っておけばいい。まずは凛音の体調が第一だ」

「だ、大丈夫ですって」

いきなりの大声に凛音は後ずさる。

「今日一日休養して、あ、昨日食べ損ねた苺ムースも好きなだけ食べて完璧に復活します。だから心配せずに北海道でのお仕事頑張ってください。なんといっても新プロジェクトの初回打ち合わせですよね」

「あ……ああ」

柊吾は気乗りしない様子でうなずき「こんなときに、悪い」と力なくつぶやいた。

「予定では瑞生の視察に合わせて来週からの出張だったのに、工場の都合でいきなり一週間も早まるし終わりは当初の予定通りそのままだ。……二週間もだぞ。いくら全社あげてのプロジェクトでも俺のスケジュールはすべて飛んだし人権無視もいいところだ」

「ふふっ……それは大げさです」

顔を赤くし言い捨てる柊吾に、凛音は小さく笑みを浮かべる。



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