身ごもりましたが、結婚できません~御曹司との甘すぎる懐妊事情~
相当腹を立てているのはわかるが、まるで子どもがだだをこねているようでおかしい。

「本社での仕事もあるし大変ですよね。忙しすぎるので柊吾さんこそ体調管理には気をつけて。食事もちゃんととってください」

凛音はなだめるように柊吾の腕に手を置き、そっと寄り添った。

「二週間なんてあっという間ですよ。途中で社長が合流されたら同期会でしょ? 楽しいですよきっと」

「まあ、それは楽しみだけどな。だけど二週間か……なんなら瑞生と一緒に凛音も北海道に来ないか? 秘書が同行してもおかしくないだろ。そうしろ、俺が瑞生に言ってやるよ」

それまでの沈んだ表情から一変、柊吾は大きな笑みを浮かべ凛音の両肩に手を置いた。

「全日程は無理にしても、工場視察の前後だけでも来たらいい。もちろん俺の部屋に泊まって――」

「残念ですけどそれは無理なんです。視察には伊藤さんが同行することになっていて、その間の伊藤さんの仕事の一部を私が引き受けたので……。せっかくですけど、ごめんなさい」

前のめりに話す柊吾の言葉を遮り、凛音は小さく頭を下げる。

伊藤の北海道出張に伴う調整を海外事業部と済ませたばかりだ。



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