身ごもりましたが、結婚できません~御曹司との甘すぎる懐妊事情~
「おはよう。かわいい寝顔は見応え十分だけど、そろそろ起きろよ。朝が弱いと大変だな」

意志が強そうな切れ長の目でまっすぐ見つめられ、凛音は目覚めたばかりの体が熱くなるのを感じた。

「あ、朝が弱いって……誰のせいだと思ってるんですか」
 
照れくささを隠すように拗ね、凛音は大きな枕に勢いよく顔を埋めた。

「なんだ? 俺のせいとでも言いたいのか?」
 
芝居がかった柊吾の声に、凛音は枕に顔を埋めたままこくこくとうなずく。

「昨夜は早めにベッドに入ったのに」
 
くぐもった凛音の声に、柊吾は口元を緩めた。

「早めにベッドに入って俺が来るのを待ってたんだろう?」
 
それまでベッドの端に腰掛けていた柊吾は凛音の体から厚手のブランケットを取り去ると、身を横たえて彼女を抱き寄せた。

「あの、柊吾さん……?」
 
突然柊吾に抱きしめられ凛音は慌てて身を起こそうとするが、あっという間にベッドに仰向けに押しつけられた。

「昨夜は凛音も楽しんだだろう? 睡眠時間は少なくても、体は満足してるはずだよな」
「満足って、それは……」
 
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