身ごもりましたが、結婚できません~御曹司との甘すぎる懐妊事情~
凛音の顔の両脇に手をついた柊吾は、軽くキスを落として笑い声をあげた。

「凛音の体は素直で正直だから俺が触れるだけで赤く染まるし目は潤む。全身で俺の動きに応えて唇から漏れる声は熱い」

「そ、そんなこと言わないで下さい……。それに私は体を休めたくて早く寝て。たしかに触れられると熱くなるけど……」

「けど?」

吐息が触れるほど顔を寄せ、柊吾は凛音を愛しげに見つめる。

「あ、あの」

小さな顔にバランスよく収まった凛音の大きな瞳が柊吾の甘い視線を受け止める。

というよりも、柊吾にまっすぐ見つめられて目が逸らせないのだ。

「凛音、もう一度抱きたい」

柊吾は上目使いで凛音の唇の端にキスを落とし、続けて熱い舌でなめあげた。

その途端、凛音の体がピクリと震えた。

「でも、時間もないし」
 
震える身体をどうにかやり過ごし凛音はようやくの思いで口を開いた。

柊吾は凛音の言葉を聞き流しさらに顔中にキスを降らせ続ける。

濡れた音が部屋に響き、凛音は身体の奥が潤み始めるのを感じた。

「凛音、いいよな?」

シーツに広がる凛音の長い髪の感触を指先で楽しみながら、柊吾は甘い声でささやいた。


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