身ごもりましたが、結婚できません~御曹司との甘すぎる懐妊事情~
結婚すると言われたばかりで気持ちが追いついていないのに三ヶ月後に結婚式とは信じられない。

それにその頃にはお腹もかなり大きくなっているはずだ。

言葉を失う凛音を、柊吾は横目でチラリと見る。

「嫌なのか?」

わざとだろう、柊吾は傷ついたような声でささやいた。

「……嫌じゃないです。……ショートにするのはその後にします」

凛音は笑顔だけでなく柊吾の沈んだ表情にも弱いのだ。

素直に答え、再び助手席に体を戻した。

柊吾の手の上で転がされているようで悔やしいが、柊吾への愛はそれ以上に大きくて怒りも悔しさも持続できない。

結局、柊吾と一緒にいられればそれでいい。

それ以外の感情は二の次だ。

もちろん、そんな凛音の想いなど柊吾は百も承知。

今も柊吾はどうして突然北海道から帰ってきたのかも明かさず、髪を乾かしただけの凛音を車に押し込み目的地も告げず高速を走り続けている。

聞きたいことは山ほどあるが、凛音の心は最近になく穏やかだ。

柊吾が自分との結婚を望んでいると知り、それ以外は些細なことなのだ。

「下りるぞ」

柊吾は車線を変更し、そのまま出口に向かった。




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