身ごもりましたが、結婚できません~御曹司との甘すぎる懐妊事情~
凛音への愛をはっきりと口にしてからというもの、柊吾の凛音に対する過保護レベルを示す針は振り切ったままだ。
柊吾は家にいる間は絶えず凛音と身体が触れ合う距離に寄り添い、離れていても視線で追いかけている。
キッチンで夕食を作る凛音を背後から抱きしめたまま離れようともしない。
これまで口にできなかった反動なのか「愛してる」と何度もささやくたび「まだまだ言い足りない」と悔しそうに肩を落としている。
耳のすぐ横で何度も愛をささやかれ、凛音は妊娠には関係のない目眩を感じ変になりそうだ。
もちろん幸せすぎて。
入浴中も凛音が目眩で倒れないよう片ときも離れようとしない。
それどころか両手に大きな泡を作って凛音の身体を洗おうとまで。
顔を真っ赤にして恥ずかしがる凛音の抵抗は当然ながら受け入れてもらえなかった。
出産までずっとこの過保護ぶりが続くと思うと少々面倒だが、湯船につかり柊吾の足の間にすっぽり収まったとき、感慨深げに凛音のお腹を撫でる柊吾の柔らかな表情が目に入った。
赤ちゃんに会えるのを心待ちにしているその表情ひとつで、柊吾のどんな過保護も受け入れられるような気がした。
その晩、ふたりは揃ってベッドに入った。
キングサイズのベッドはふたりが並んでも余裕の大きさだ。
「思った以上の騒ぎになってるな」
ヘッドボードにもたれタブレットを見ていた柊吾は重いため息を吐いた。