身ごもりましたが、結婚できません~御曹司との甘すぎる懐妊事情~
料理の食材は定期的に宅配され、それとは別に海外で有名なお高めの冷凍食品も月に一度大量に届き、冷蔵庫とは別にある大きな冷凍庫にはかなりの量の冷凍食品がストックされている。

仕事で遅くなったときにはありがたく利用しているが、料理がストレス発散のひとつである凛音は、ほぼ毎日柊吾のために料理をしている。

それは今朝も同じだ。

とはいえ昨夜激しく柊吾に抱かれた体はだるく、続く睡眠不足のせいでぼんやりしている。

しっかり寝かせてもらえるはずが、善処するという言葉などなかったかのような強引さだった。

凛音はふと軽い目眩を覚え、朝食作りの手を休めてシンクの縁を慌てて掴んだ。

「柊吾さんのせいだ」
 
肩をすくめそうつぶやきつつも、凛音自身も自ら柊吾に積極的に体を預け快楽に身を投じていたのだから柊吾を責められない。

今もまだ柊吾に触れられた素肌は敏感なまま。

シルクのインナーがこすれるたび昨夜の自分が蘇り、頬が熱くなる。

「……とりあえず早く準備しなきゃ」
 
凛音は目眩が治まったのを確認し、ゆっくり体を動かした。

心なしか吐き気も感じ食欲もあまりない。


< 72 / 256 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop