カメラを趣味にしていたら次期社長に溺愛されました
何の話があるのか。
「気になるんですよね」
食事の時の一つの話題として服部くんの名前を出した。
「もしかして咲ちゃん、その服部って人のことが好きなの?」
勘違いしたのは月城さんの従姉妹の奏音さんだ。
お見合い写真を撮ったのを機に、仕事終わりに食事をする仲になった。
と言っても彼氏と推し活が優先だから食事をするのは今日が2回目で、その中でも初めて私の口から男性の名前が出たので反応するのもわからなくはないけど。
「ねぇ?どうなの?!」
目をキラキラさせて答えを待っている奏音さんを見て、申し訳なくなる。
「そういうのじゃないです」
服部くん自身ではなく、彼の写真が好きなのだと言うと、奏音さんは椅子の背にもたれて、露骨に残念そうに肩を落とした。
「なーんだ。恋話したかったなー」
「恋話なら私のことより奏音さんのお話し、聞かせてくださいよ。その後、彼氏さんとはどうなんですか?」
「順調だよ」
奏音さんの柔らかな笑みが幸せを物語っている。
「いいな〜」
思わず呟くと、奏音さんの姿勢が前のめりになる。
「ね、ね、咲ちゃんはどういう人がタイプなの?」
「そうですね…話しやすくて一緒にいて安心できる人ですかね」
そう言っても奏音さんにはピンとこないようで首を傾げられてしまった。
「肩肘張らず、自然体でいられる人がいいんです」
「それは経験上そう思ったの?」
奏音さんの言葉に大した経験のない私は肯定も否定もせず、飲み物を手に取り、ビールを口に含む。