37℃のグラビティ
早速メニューを開いて見入る新海に、目の前に置かれたメニューを手に取って開く。


「高ッッ!」


思っていた以上の金額に、思わず小さく声が漏れた。


見るのが怖くなったメニューを閉じて、新海に小声で言う。


「新海くん、ここ凄く高いよ?」


ドギマギするアタシに反して、新海はまったく動じず……


「好きな物頼めば? じゃなきゃ、俺が適当に頼むけど?」


メニューなんか見ても、値段ばっかり気になって、決められそうにない。


「新海くんに、任せる」


「飲み物は?」


「ウーロン茶」


それだけ確認すると、新海はタッチパネルで注文を始めた。


運ばれてきたお肉は、見るからに美味しそう(イコール)高そうで。


それをまた慣れた手つきで焼いている新海に、思わず見入る。
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