幼馴染みは、溺愛執事!?
お風呂に入って、ベッドで考え込んでいた。

『落ち着いて。未成年が二人だけで世の中に飛び出すのは危険だ。取り敢えず高校を卒業するまでに星夜様をなんとかしよう。話はそれからだろう』

優雅にそう言われて、自分がいかに浅はかだったかを思い知った。

いくらお父様が嫌いで、星夜がすごく酷いやつでも、パーティーをめちゃくちゃにするなんて、令嬢のすることじゃない。

ましてや執事と逃げるなんて。

お父様の顔に泥を塗ることになってしまった。

星夜との婚約破棄はまだ成立していない。

それが成立しない限り、私は星夜と一生添い遂げることになる。

窓から見上げた月は、雲に隠れて見えなかった。

どんよりと曇った空。

わたくしは誰が好きなの…?

モヤモヤとした気持ちは、気づいたばかりの恋心を隠す。

恋って、もっとキラキラしたものだと思ってた。

わたくしの月は、大嵐の中にいる。

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