幼馴染みは、溺愛執事!?
翌日。

学校の敷地に足を踏み入れると、ザワザワとまわりがざわめいた。

あのパーティーに出席していた令嬢達が噂をばらまいたのだろう、有る事無い事まことしやかに囁かれている。

「心愛様、婚約発表の時に執事と逃げ出したそうよ」

「まあ。駆け落ちかしら?」

「ご両親がお可哀想ね」

──────
───

「心愛っ!」

「麗蘭…」

「聞いたわ。あんなこと嘘でしょう?真実を教えてよ」

「何も嘘じゃないわ…。わたくしは伊集院家に相応しい人間じゃない」

「でもこうして泣きそうな顔をしてる。婚約者様はなにか問題がある人なの?」

「なんにもないわ。わたくしが嫌いなだけ」

「そうは見えないですねぇ〜」

「瑠璃亜まで…。わたくしと一緒にいたら、貴女達がやっていけなくなるわ」
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