笑っちゃうくらい解りにくいアイラブユー

「っ、ん、」

 引き寄せられる、肩。それに(つら)なって動いた上半身。
 僅かに腰を浮かせて前のめりになった彼の唇が、私のをかぷりと噛んだ。

「……っ、前言は、撤回する……!」

 離して、ぺろり。
 下唇を舐められたかと思えば、二センチほどの距離をあけて彼はそれをこぼす。
 ああ、「子供は授からないからな」と言ったことへの言葉だなと、瞬時に理解したからか、ふふっ、と声が笑って、口の外へと転げ落ちてしまった。

「是非、そうしてください」

 早速、今夜にでも。

「そうっ! いう! ところだからな!」

 そう付け加えた瞬間、何故かまた彼は机に突っ伏した。


 ー終ー
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