君色を探して
「……それは希望か、ニール? 」
自分は今、何と言ったのか。
呆れ顔なのは兄だけで、アルフレッドやエミリアはぽかんとしている。
「あ……!? 」
そう言われても、ニール自身訳が分からなかった。
どうしてそんなことが口を突いたのか、今喋ったのは本当に自分だったのか。
いや、それよりも。
(どうしよう、ご気分を害されたら……)
待望の第一子。
王子の誕生が望まれているかもしれない。
それを勝手に、女児と決めつけるようなことを口にして。
「も、申し訳……」
「エミリア」
ビクビクしながら謝罪しようとするのを、アルフレッドが遮った。
「女児に絞ってもいいかもしれないぞ」
(……え? )
怒ることなどなく、優しく笑って。
「はい。それなら、早めに決まるかもしれません」
エミリアも同意してくれた。
王妃の横顔をチラリと見れば、あの子を思い出して仕方ない。
つい今しがた側にいた、自分よりも年上のはずのオーリーに。