コンプレックスから始まる恋


「お願いします。」


そう言って、戸崎さんのあとについて行く。

コインパーキングに停めてあるということで少し歩くそう。

無言で歩く戸崎さん。

しゃべった方がいいのかな…?


いやでも…


「あの…」

恐る恐る声をかけてみる。


「うん?」

そういって立ち止まった戸崎さん。


「今日は楽しかったですか?」

私が戸崎さんに追いついて話しかけた。

戸崎さんは眉間に皺を寄せて私を見下ろしている。


なぜそんなことを聞くというような顔で。

「戸崎さん、ずっと不機嫌そうな顔してましたし…自分から話そうとしませんでしたし…」


ずっとそんな感じだったからすごく気になった。

本当は早く帰りたいと思ってるんじゃないのかと。


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