FUZZY
つい仕事の話をしがちだけど、会社から出たら完全にオフモードになるので話題は恋愛へ。
「理乃さ、結婚願望とかあんの?」
「なに、いきなり」
「……いや、あんのかなーって気になっただけ。べ、別に俺はお前と結婚がしたいわけじゃないからな!」
……知ってるわ!改めて言うなよ。弘実と結婚なんて想像もつかないし、そんな未来考えたこともない。切っても切れない腐れ縁だけど恋愛となれば別だなぁ。
「逆に聞くけど弘実はどうなの?好きな人いないの?」
私の質問にだし巻き卵に手を伸ばしかけていた弘実の手が止まった。
え、どうした?この質問タブーだった?「おーい、弘実?」と呼びかけたら「ああっ」とどこからか帰ってきたのでホッとした。で、なんなの、今の間は。
「……好きな人、いる」
「えっ、まじ?」
「まじ、大まじ」
「私の知ってる人?」
「うん、つーかお前しか知らん」
「え……まさか、侑芽?」
「なんでそうなるんだよ」
「じゃあ誰だ、」
「お前」
「お前か、……え、おまえ?」
「お前はお前、瀬河理乃」
「……うそ、」
「なんで嘘つく必要がある?」
「……ない、ね」
「うん、ないだろ、なさすぎだろ」
びっくりした。
ただただびっくりして、とりあえずビールを飲む。流し込む。動揺が隠せない。