FUZZY




「起きたら理乃さんがいない代わりに一万円がテーブルに置いてあってさ」

「……」

「俺、寂しかったんだけど」


きゅるるんって音がどっかから聴こえた気がした。大きなくりくりとした目が私の目を潰そうとしている。キラキラすぎて。

相変わらず碧生くんはかっこいい。むしろかっこよさがパワーアップしている。

キャラメル色だった髪は暗めのブラウンに変わってるし、ふわふわパーマは健在だが、前髪は真ん中分けにしていて大人っぽくなったし。

たった半年、されど半年。



ていうか、


「なんでここにいるの?碧生くん、婚活中?大学生、だよね?」

「あ、……うーん、この後のフリータイムでちょっと話せる?」

「え、大丈夫だけど……」

「じゃあ1階ロビーに来てほしい。俺もすぐに行くから」

「わかった」


こうして碧生くんのターンは終了。





そして、フリータイム中。


私はロビーにやって来た。



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