FUZZY




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「なるほど。じゃあ碧生くんが婚活してるんじゃなくて、友達の代理で〝サクラ〟としてバイトしてたってわけね」

「うん。日払いだし、時給高いしね。今日、ゼミの集まりがある友達には感謝してるよ」


奥のソファーで肩を並べて座る。

あの日もこうして隣に碧生くんがいて、ネイル褒めてくれたよね。

あれね、結構嬉しかった。碧生くんにとっては何気ない発言だったかもしれないけど女からしたらそういう気遣いって今後のモチベーションにも繋がるから。


「サクラなのにあれだけ人気だったら碧生くんとお近づきになりたいって思う人多いんじゃないかな」


いくらバイトとはいえ、騙すのはあまりよろしくないよね。まあ、彼、友達の代理だけど。そもそもそんなバイトがあることに驚きだわ。私が碧生くんと顔見知りじゃなかったら確実にロックオンしてたもん。


「身の危険を感じてるから終わったらすぐ帰るつもり。それに今日一日だけだしね」

「そうだね、それがいいよ」


私も終わったらすぐに帰ろう。

帰りにコンビニ寄って酎ハイとおつまみ買って録画してた月9観ながら今日の疲れを癒す。


「でさ、もし、良ければなんだけど」

「うん?」

「終わったら一緒にご飯行かない?俺ね、ハタチになったからお酒飲めるんだよね」


嬉しそうに私の顔を覗き込む碧生くん。

コーラにストローさして飲んでた碧生くんがお酒だと……?!?



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