FUZZY






「私、パス!未来の旦那とご飯!」


侑芽は、ふふんっと鼻を鳴らしてにやにやしている。かわいい。かわいいけど、これはまた弘実が突っかかるやつ。


「未来の旦那?なにそれ、妄想?こわいわ」

「妄想じゃないし!ね?理乃」

「うん、妄想じゃないよ」

「……まじ?ガサツな侑芽のくせに?」

「あんた、ガサツな私知らないでしょうが」

「雰囲気がガサツだから。うおっ、ケチャップ飛んだ!」

「……(さいあく)」

「あーあ、理乃に怒られて絶好しろお!」

「理乃、まじごめん。脱げ、洗ってくる」


あほか。こんな所で脱げるわけないでしょ。

私はテーブルに置いてある濡れた布巾でシャツに飛んだケチャップを拭く。じんわりと滲んで完全に取れそうにない。


……はあーあ。





「いい加減にして、弘実!!!」

「えっ、なんで俺だけ?!」


ケチャップつけたからだよ!!



< 32 / 130 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop