FUZZY
「私、パス!未来の旦那とご飯!」
侑芽は、ふふんっと鼻を鳴らしてにやにやしている。かわいい。かわいいけど、これはまた弘実が突っかかるやつ。
「未来の旦那?なにそれ、妄想?こわいわ」
「妄想じゃないし!ね?理乃」
「うん、妄想じゃないよ」
「……まじ?ガサツな侑芽のくせに?」
「あんた、ガサツな私知らないでしょうが」
「雰囲気がガサツだから。うおっ、ケチャップ飛んだ!」
「……(さいあく)」
「あーあ、理乃に怒られて絶好しろお!」
「理乃、まじごめん。脱げ、洗ってくる」
あほか。こんな所で脱げるわけないでしょ。
私はテーブルに置いてある濡れた布巾でシャツに飛んだケチャップを拭く。じんわりと滲んで完全に取れそうにない。
……はあーあ。
「いい加減にして、弘実!!!」
「えっ、なんで俺だけ?!」
ケチャップつけたからだよ!!