FUZZY
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「来れない奴らもいたけど、そいつらの分まで今日は飲むぞー!!かんぱァァイ!!」
ビールが入ったジョッキが10個、空中でガチャンガチャン音を鳴らす。
通路側に座っている私のジョッキに弘実のが勢いよく当たり、そのまま隣に腰掛けた。
「侑芽いないからってテンション下がんなよ」
「いや、下がってない」
「じゃあなんだよ」
なんだよって、こっちにも色々事情があって、でもその事情を弘実に話すのは絶対にゼーーッタイに違うから話さないけど。
「お通し、おもちしましたー」
…………。
「あいだ、失礼しますねー」
私と弘実のあいだに置かれた小鉢に入った筑前煮が二皿。
私だけににっこり微笑むふわふわパーマのキラキラわんこ……。
「ごゆっくり」
この居酒屋、まさかの碧生くんのバイト先なんですけど。