FUZZY





「どうする?見ていく?もう始まってるけど」

「うーん」

「悩むなら見ればいいじゃん。はい、行くよ」

「えっ、ちょ、」


イケメンコンテストというだけあってイケメンを一目見ようと女の子たちが群がる。キャピキャピ、キラキラ、キャーキャー。私にはとうてい飛び込めない世界。

それでもここに立つ碧生くんを見てみたくて背伸びをする。

あ、いた。パーカーにスキニー。キメてるわけじゃないのに一番輝いて見えるのはなぜ?周りの男の子みたいに手を振ったり、いわゆるファンサービス的なものをせずにただじっとそこに立ってるだけなのに絵になるんだよなぁ。






なんだか、遠い。

いや、違う。

元々、私たちの距離はいつだって曖昧だ。肌と肌が触れ合い、でも心までは触れない。触ったら最後、後戻りはできなくなる。

私は怖いのかもしれない。絶対に交わることのない人間同士が些細なきっかけで出会ってしまったことに。引き返せないところまできているという事実に。


ほら、だって今も、


〝私だけが碧生くんの瞳にうつればいいのに〟


って、思っちゃったもん。



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