FUZZY





「どっちからも付き合おうって言わず?」

「…うん」

「そういう流れにもならず?」

「………うん」

「あー、なるほどね。きゃっきゃっうふふ〜って満足してたんでしょ、どうせ」

「……そのとおりでございます」

「ばかだねぇ」


ごもっとも。

お互い好きなのに付き合ってないなんておかしな話だよね。それに気づくのが今っていうのもおかしい。脳みそ花畑か??ちょっと花を摘んできます…。


「……このままじゃ嫌だから碧生くんと話す」

「理想はあっちからなんだけどね〜。なんかそういうの疎そうだし。むしろ既に付き合ってるって思ってそうじゃない?」


それは…大いにありえる。

でもやっぱり言葉で欲しいよね…。


今日にでも碧生くんに——…





「まーじで腹減ったわー。理乃、隣座るぞ」


なんだかいっつも絶妙なタイミングで来るよね、この男は。もしかして狙ってる?


週末に熱を出して倒れた弘実はすっかり元気になっていた。というより私が様子を見に行った日の朝方には熱はおさまっていた。【36.3】と表示された体温計の写真が送られてきたし。


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