竜王様のプレゼント
 しかし、サプライズプレゼントはそれだけじゃありませんでした。

 バレンタイン特別おやつを食べたみんなから、ちょっとしたお返しをたくさんいただきました。もちろん三将様たちからも。お花だったり、小物だったり。私が普段の感謝を伝えたかっただけなのに、却って気を使わせちゃったかしら?
「普段こんなプレゼントのやり取りなんてないから、新鮮で楽しかったわ。また来年もやりましょうね」
 ほぼみんなそう言ってくれたのでよかったです。

「たまたま店の前を通りがかったら、安くていいのがあっただけだぞ。決してホワイトデーだからとかなんとかいう訳じゃないからな」
 とかなんとか言いながらフォーンさんがくれたのは、可愛い刺繍の入ったハンカチでした。
「ライラはすぐに転ぶし、おっちょこちょいだから!」
「こんな可愛いハンカチで傷を塞げませんよ〜」
「ふんっ」
 相変わらずツンデレさんですねぇ。……あ、今ならお仕着せの件、言っても怒られないかも?
「あのう……実はお仕着せをひと組失くしちゃったようなので、新しいのをいただけないでしょうか?」
「は? ま〜た〜か〜!」
「ひぇっ! さっきまで機嫌よかったじゃないですか〜!」
「それとこれとは話が別だっ!」
「きゃ〜! ごめんなさ〜い! あ、そうだ、竜王様のおやつの時間だ〜」
「こらっ! ライラっ! 待ちなさい!!」
「竜王様をお待たせできないわ〜(棒)。行ってきま〜す!」
 フォーンさんからお小言どころか落雷くらいそうになったので、さくっとこの場から逃げることにしました。
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