My dear prince~初恋の幼馴染or憧れのアイドル~


渚が身ぶり手振りを交えながら、幼稚園の頃の話をすると、紫音がクスクスと笑った。


「アイツらしいや」


「今の涼と違って、あの頃は優しくてカッコよかったんですよー?」


「今もそんなに変わってない気がするけど?」


紫音から見れば、渚の為なら見境なく守ろうとするのは、今も昔も一緒なのである。

しかし渚は照れ隠しで、必死に早口で否定した。


「そんなことないですよ~。
今は意地悪ばっかり言うし、私が困ってても全く見てないし、私の話は全然聞いてくれないし」


「あははは。そこまで言わなくてもいいんじゃない?
そりゃテレビヒーローじゃないんだから、ずっと助けてくれるわけじゃないよ?」


「それもそうですけど……
そのあと、男子がカードを引く事になって……」


また渚は幼稚園の頃を思い出しながら、話の続きを始めた。


< 33 / 116 >

この作品をシェア

pagetop