LOVEPAIN⑥


「前も、AV女優は仕事はきっちりとしてたから。

だから、その辺りは心配してないですが」


予想外に佐藤雲雀はそんな言葉を残し、

私達から離れて行った




「ま、頑張れよ」


成瀬は、ポン、と私の肩に手を置く


チラリと成瀬の表情を見るが、
なんとも明るい


私とは、違って



以前、成瀬に言われた言葉を思い出した




“――お前が帰った後、
あいつが俺に言って来た。

お前が誘って来たから、
ヤッたって――”



成瀬は、佐藤雲雀のその嘘の言葉を今も信じているのだろうか?



だけど実際、
私が誘惑したわけじゃないけど、

あの時佐藤雲雀とは本当にセックスはしたけど




そして、私とそんな佐藤雲雀がこうやって共演する事に対して、

なんの嫉妬もないのだろうか?




今の成瀬の表情を見る限り、

全くないのだろうな

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