LOVEPAIN⑥





「テイク1
よーい、スタート!!」



秋原慎太郎は通常監督自らが持たないカチンコを鳴らし、

監督業を楽しんでいる



一応、ベテランの助監督の人が付いているので、

監督はお遊びでしているだけと言う感じ




佐藤雲雀は本番が始まった瞬間に、

何かが憑依したようにその表情が変わる




私の目を、
射抜くように見つめて来る



ぐい、と少し強引に抱き寄せられ、

佐藤雲雀の唇が私の唇に重なった



私は目を閉じているので、

今、佐藤雲雀がどんな表情をしているのかは分からない


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