LOVEPAIN⑥
「広子ちゃん。
お昼、何食べたい?
寿司、ピザ、豚カツ、中華。
他も色々とあるよ~」
貼り付けたような笑顔と猫なで声で私に話し掛けて来るのは、
制作スタッフの男性
今、私はハウススタジオのリビングのソファーで座っている
そのスタッフの男性は、
そんな私の前にあるテーブルの上に
デリバリーのメニューをズラリと並べている
「別に、何でもいい」
そう冷たく言い放つ私に、
相変わらず満面の笑みを浮かべているその男性
歳は私なんかよりも、
一回り以上年上なのに
「あ、じゃあ広子。
寿司にでもしたら?
じゃあ寿司で」
横に座っている成瀬がフォローするかのように、
私やその男性に提案する
そんな成瀬に対しては特に何も思わないけど……
目の前で中腰で立ち、
私のご機嫌を取るかのようにヘラヘラと笑っているその男性に、
苛々としてしまう