LOVEPAIN⑥


「分かった。
約束する」



秋原慎太郎はきっと、
私のお願いを聞いてくれる




「ありがとうございます」


頭を下げると、
秋原慎太郎に背を向けた



この人とは、もう二度と会う事はないだろう





ドアを開けようとした時




「ほら、俯かない。
肩が下がってる。

もっと上向いて、
自分に自信持って」


そう言われて、
顔を上げてみる




「俺、生でラジオの番組持ってて。

明日の昼、良かったら聴いてみて?」




「あ、はい」


もう一度振り返ると、

秋原慎太郎はニッコリと笑っていて



私も返すように、
笑い返した




「じゃあ、広子ちゃん。

会えて良かった」



「私もです」




今度こそ秋原慎太郎に背を向け、

私は寝室から出た

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