LOVEPAIN⑥
「俺は、お前が好きだ」


その篤の言葉に驚いて、思わず、えっ、と声が出た。


「俺の彼女にしていいか?」


その声は篤とは思えないくらいに柔らかくて、
私は自然と頷いていた。


俺の彼女、って事は、
私は篤と付き合えた、って事なのだろうか。


「お前は俺の事、どう思ってるか聞かせろ」


「私も篤さんの事、好きです」


さっきはなかなか出て来なかったその言葉が、今はすっと出た。


私と篤は、相思相愛なのか…。


なんだが、まだ全然実感が湧かない。


「今日篤さんにチョコレート渡したのって、私だけなんですか?」


そう訊いたのは特に意味はなく、
なんとなくだった。


「え、ああ。まあな」


その不自然さ。


ふと、篤に好意を寄せていた、あのユメちゃんと、セフレのナナちゃんが浮かんだ。


私は篤の手を振りほどくと振り返り、背後にあったクローゼットの折り畳みドアを開いた。


そこには、チョコレートだと思われる紙袋が、ちょうど二つ並んで置かれている。


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