LOVEPAIN⑥
「どうしたの?
私の分も、いる?」
思わず、食べている手が止まる
「いや。
食うの遅いなって」
「あ、ごめん。
気にせず、車動かして。
こぼさないように気をつけるから」
道路の脇に停まっている、
この白いベンツ
車外の音が、聞こえてくる
通り過ぎる、
車の音ばかりだけど
「のんびりでもいいから。
俺が食うの早すぎるだけだし」
ナツキはシートを倒して、
寝転んだ
「――ごめんなさい」
「いえいえ」
私はその言葉に甘えて、
のんびりとアイスを食べる
せっかく美味しいアイスだから、
すぐに食べたら勿体ない