LOVEPAIN⑥
「――ほんと、鈴木広子、最悪だよな」
「ちょっと売れてるからって、
何を勘違いしてんのか」
「まぁ、秋原慎太郎のおかげで売れてるみたいなもんだし」
また、アキハラシンタロウの名前が出ている
今、私は新人としては売れっ子AV女優になった
人気に火が点いたのは彼らの言うように、
秋原慎太郎のおかげ
その秋原慎太郎には、
私は一度も会った事がないから、
おかげとかピンと来ないけど
「けど、俺らが飯食えんのは鈴木広子のおかげだから、
広子さまさまだよな」
嘲笑われ、
もう一人も同じように笑っている
「鈴木広子の、お股のおかげ。
鈴木広子の股に足向けて寝れないってなー」
ゲラゲラと、下品な笑い声
べつに、こうやって悪口を言われても、
なんとも思わない
実際、初めてでもないし、
もう慣れっこ
初めからこんな人達、
信用も何もしていない
仕事場の人間なんか、
私は信用しない