Re:START! ~君のバンドに、入ります~
とりあえず私は、へらっと笑って彼に向かって頷いた。
*
苦手な数学の授業中。
教科書の問題を頑張って解いていた時だった。
「これ、回ってきたよ」
隣の席の新田くんが、小声でそう言いながら私に何かを差し出した。
「え……。ありがとう」
心当たりが全くなかったけれど、とりあえずそう言って受け取る。
それは丁寧に折られたノートの切れ端だった。
不思議に思いながらも開いてみると――。
『響斗です。律が怖がらせちゃってごめんね。悪気はないから許してやって』
それはなんと、響斗くんからの手紙だった。
驚いて彼の方を見てみると、私の方を気にしていたみたいで、はたと目が合った。
彼は優しそうに微笑むと、ゆっくりと頷いた。
「手紙、読んでね」、そんなことを言っている気がした。
私はこくりと頷き返すと、手紙の続きを読み始めた。
『昨日のこと、一度話を聞いてほしいんだ。姫奈ちゃんに俺たちと話しているところを見られたくないと思うから、放課後に旧校舎の第二音楽室に来てほしい』
手紙の内容に感心する私。
*
苦手な数学の授業中。
教科書の問題を頑張って解いていた時だった。
「これ、回ってきたよ」
隣の席の新田くんが、小声でそう言いながら私に何かを差し出した。
「え……。ありがとう」
心当たりが全くなかったけれど、とりあえずそう言って受け取る。
それは丁寧に折られたノートの切れ端だった。
不思議に思いながらも開いてみると――。
『響斗です。律が怖がらせちゃってごめんね。悪気はないから許してやって』
それはなんと、響斗くんからの手紙だった。
驚いて彼の方を見てみると、私の方を気にしていたみたいで、はたと目が合った。
彼は優しそうに微笑むと、ゆっくりと頷いた。
「手紙、読んでね」、そんなことを言っている気がした。
私はこくりと頷き返すと、手紙の続きを読み始めた。
『昨日のこと、一度話を聞いてほしいんだ。姫奈ちゃんに俺たちと話しているところを見られたくないと思うから、放課後に旧校舎の第二音楽室に来てほしい』
手紙の内容に感心する私。