レイン。序章
駱駝に、積めるだけの荷物を積んで、女と子供を集落から逃がす準備を整えた。

率いていくのは、男たちの中で最も年を取っている者にした。

その老人は、俺たちとともに戦えないことを悲しんだが、俺たちはそれも大事な役割なのだとなだめた。

サンドラが俺に「一緒に行かなくてよいのか」と尋ねた。

俺は「構わない」と答えた。

「お兄ちゃん」

メルの涙声が俺を呼んだ。

「心配はいらない。俺には、父さんがくれた剣がある。お前も知ってるだろ?俺は強いんだ。メル」

俺は妹の頬に軽くキスをした。

「必ず戻る」
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