俺が好きなのは、ずっとお前だけ。


その拍子に私は転んで、廊下に思いきり尻もちをついてしまう。

耳にかけていたメガネも、その弾みで床に落ちてしまった。


「いってぇーっ」


廊下に尻もちをついたのは、私だけではないらしく。


「ごっ、ごめんなさいっ!」


ぼやける視界で、私はすぐさま相手に謝る。


「いや、僕のほうこそごめん……って、古賀さん!?」

「えーっと?」


……誰だろう?


低い声からして男子っていうのは分かるけど……今メガネをかけていないから、ぼやけていて相手の顔がよく見えない。


「わっ! 古賀さんのメガネが床に! 大丈夫?! レンズにヒビとか入ってない?」


相手の人が慌てた様子で、私のメガネを拾って手渡してくれた。


渡してもらったメガネを装着し、クリアになった視界で見えた相手の人は……。


< 107 / 341 >

この作品をシェア

pagetop