俺が好きなのは、ずっとお前だけ。
「一之瀬くん、今部活の帰り? お疲れ様」
「おっ、おう」
「一之瀬くん、今日の部活で、シュート決めてたよね? 今日もかっこよかったよ」
「え? 美月、今日の練習見に来てたっけ?」
確か来ていなかったはずだけど……。
だって、美月がもしグラウンドに見に来ていたら、俺一瞬で気づくし。
つーか、今サラッと『今日もかっこよかった』って言ってくれたな。
美月は、俺を喜ばせる天才か?
「あ、えっと。今日は一晴くんと、さっきまで図書室にいて。そこの窓から、グラウンドが見えたから……」
一晴くんと……だと? 図書室って……あのメガネと2人でか!? マジかよ……。
「美月、ちょっと来い!」
俺は美月の腕を掴むと、校門から校舎裏のほうへと向かう。
「え?! ちょっと、一之瀬くん!?」
俺は美月のこととなると、どうも余裕がなくなってしまうらしい。