俺が好きなのは、ずっとお前だけ。


「一之瀬くん、今部活の帰り? お疲れ様」

「おっ、おう」


「一之瀬くん、今日の部活で、シュート決めてたよね? 今日もかっこよかったよ」


「え? 美月、今日の練習見に来てたっけ?」


確か来ていなかったはずだけど……。


だって、美月がもしグラウンドに見に来ていたら、俺一瞬で気づくし。


つーか、今サラッと『今日もかっこよかった』って言ってくれたな。


美月は、俺を喜ばせる天才か?


「あ、えっと。今日は一晴くんと、さっきまで図書室にいて。そこの窓から、グラウンドが見えたから……」


一晴くんと……だと? 図書室って……あのメガネと2人でか!? マジかよ……。


「美月、ちょっと来い!」


俺は美月の腕を掴むと、校門から校舎裏のほうへと向かう。


「え?! ちょっと、一之瀬くん!?」


俺は美月のこととなると、どうも余裕がなくなってしまうらしい。


< 142 / 341 >

この作品をシェア

pagetop