俺が好きなのは、ずっとお前だけ。


その" 誰か " は、一之瀬くんだった。


「隣にいるんだから。俺のことも見ろよ、美月」

「……っ」


真っ直ぐ見つめてくる一之瀬くんに、またもやドキッとしてしまった。


「真宙、美月を狙うってどういうつもり? 遊びならやめとけよ?」


一之瀬くんが、澄野くんをキツく睨みつける。


「やだなぁ朝陽、冗談だよ。お前はすぐ引っかかるんだから。大丈夫。俺、他に好きな子がいるから。
古賀ちゃんに手を出すなんてことはしないよ。今のお前見てて、本気なのが分かったし」


なんだ、やっぱり冗談だったんだ。
それと同時にホッとする。


「古賀ちゃん。実は朝陽、古賀ちゃんへの最初の告白のあと、めっちゃ落ち込んでたんだよ?」


……そうなの?


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