俺が好きなのは、ずっとお前だけ。
【美月side】
どうして私は今、こんなことになっているのだろう。
私のすぐ目の前には、一之瀬くんの顔がどアップであって。
一之瀬くんの眼差しは、真っ直ぐ私だけに向けられている。
さっきからずっと、心臓がバクバクと音を立てて落ち着かない。
『俺のことだけ見てて』って、一之瀬くんに言われたけど。
あまりにも整いすぎている顔は、『見てて』って言われなくても、自然と見入ってしまう。
そんな中で、一之瀬くんの香りがふわりと鼻先をくすぐる。
……香水の匂いかな? 柑橘系の、良い香り。
私、この香り……好きかも。
香りの主である一之瀬くんは、柔らかい笑顔を私に向けている。
そして、ただでさえ近いふたりの距離が更に近づき……。一之瀬くんが、どんどんこちらへと迫ってくる。
え!? ちょっ、い、一之瀬くん!?
これ以上近づいたら……!