ツキミチカフェにようこそ
「あとはアレだね。新月の日に願い事」
「願い事?」
うん、と雅日さんが頷く。
「新月の日には願い事を書くといいらしい。それにあやかって、うちもパワーウィッシュティーってハーブティーミックス出したりしてるけど、なんかクチコミでこのお茶飲みながら願い事を書くと叶うって広まってるらしいんだよね。だから今日の客のオーダー、ほとんどパワーウィッシュティーだったろ」
利津さんが人数分新しくお茶を入れて持ってきてくれた。
「パワーウィッシュティー、飲んどけ」
「今後このお茶の説明をする時に、味とか色味とかは体感で覚えておいてもらった方がいいからさ」
「願い事あるんなら思いながら飲んどきな」
日野店長と高田さんに矢継ぎ早に勧められ、はじめてのハーブティーに口をつける。普段ハーブティーなんて飲むことはない。
ふわり、と香ったのはなんだろう。リンゴの香りのような甘酸っぱさ。そして鼻に抜ける清涼感のある匂い。味は……僕の舌がバカなのか、ほとんど感じなかった。
「カモミールとミントのミックス」
「へぇ」
はじめて聞くハーブの名前。いや、ミントくらいは知ってるか。
もう一度鼻を近づけてくん、と嗅ぐ。確かに香りはいいけど、文字通り味もそっけもなくて白湯を飲んでるみたいだ。
「これに蜂蜜入れて飲むと美味いよ」
高田さんの言葉にへぇ、と頷く。ますます、杏が好きそうな店だ。
「なんか願い事した?」
日野店長の大きな目がくるり、といたずらっ子のように動く。
願い事か……なんだろう、何を叶えたい?
杏と話したい。
仲直りしたい……。
嫉妬したこと、慶太に乗り換えりゃいいだろ、なんて酷いこと言っちまった……。
目を閉じて、心の中で願い事をしっかりと言葉にし、残りのハーブティーを飲み干した。
「満月までに叶うといいな」
ふふ、と樹生さんが笑う。満月までとは言わず、できたら今夜にでも叶って欲しい。
「願い事?」
うん、と雅日さんが頷く。
「新月の日には願い事を書くといいらしい。それにあやかって、うちもパワーウィッシュティーってハーブティーミックス出したりしてるけど、なんかクチコミでこのお茶飲みながら願い事を書くと叶うって広まってるらしいんだよね。だから今日の客のオーダー、ほとんどパワーウィッシュティーだったろ」
利津さんが人数分新しくお茶を入れて持ってきてくれた。
「パワーウィッシュティー、飲んどけ」
「今後このお茶の説明をする時に、味とか色味とかは体感で覚えておいてもらった方がいいからさ」
「願い事あるんなら思いながら飲んどきな」
日野店長と高田さんに矢継ぎ早に勧められ、はじめてのハーブティーに口をつける。普段ハーブティーなんて飲むことはない。
ふわり、と香ったのはなんだろう。リンゴの香りのような甘酸っぱさ。そして鼻に抜ける清涼感のある匂い。味は……僕の舌がバカなのか、ほとんど感じなかった。
「カモミールとミントのミックス」
「へぇ」
はじめて聞くハーブの名前。いや、ミントくらいは知ってるか。
もう一度鼻を近づけてくん、と嗅ぐ。確かに香りはいいけど、文字通り味もそっけもなくて白湯を飲んでるみたいだ。
「これに蜂蜜入れて飲むと美味いよ」
高田さんの言葉にへぇ、と頷く。ますます、杏が好きそうな店だ。
「なんか願い事した?」
日野店長の大きな目がくるり、といたずらっ子のように動く。
願い事か……なんだろう、何を叶えたい?
杏と話したい。
仲直りしたい……。
嫉妬したこと、慶太に乗り換えりゃいいだろ、なんて酷いこと言っちまった……。
目を閉じて、心の中で願い事をしっかりと言葉にし、残りのハーブティーを飲み干した。
「満月までに叶うといいな」
ふふ、と樹生さんが笑う。満月までとは言わず、できたら今夜にでも叶って欲しい。