諦 念

▪▪光輝side


神戸へ転勤の内示があった。
行きたい気持ちがあるが·····

俺には7年付き合っている
彼女がいる。

好きで、好きでたまらなくて
自分から初めて告白をした。

彼女・栞那がいたから
必死に仕事もした。
栞那に良いところを見せたい

営業の仕事ももちろん好きだ。

相手との駆け引きや
誠意が伝わると答えがついてくる
楽しくて仕方なかった。

栞那とは、恋人達の行事には
必ず一緒に、過ごした。
例え忙しい中でも····
1時間でも·····30分でも。

三年、四年目になるとき
プロポーズをするつもりで
指輪もかった。

だが、お互いに仕事が楽しくて
あっと言うまに過ぎていた。

五年目に同期の田中から
声をかけられた。

こいつからは、入社の時
告白されたが
好きな人がいるから
と、言い断ると
「頑張って。」
と、言ってもらえた。

その田中が
「私を振ったんだから
幸せになって欲しいと
思っていたのに。」
と、涙目で言われて
内容をきくと·····

栞那が、同じ課の十川さんと
休みの日も一緒にいると。
「仕事だろ?」と、言うが。
「仕事で、ショッピング行ったり
映画みたりする?」
と、言われて
写真を見せられた。

どれも二人が
笑顔で話してる
顔を近づけて話したり。

それからは、田中と
その現場を見に行ったりした。

十川さんは、男が言うのも可笑しいが
凄いイケメンだ。
顔立ちもだが、瞳が茶色で
日本人離れをしている。

そんな十川さんと栞那は
ほとんど一緒にいる。
出張も現場にも。

回りからも
「お似合いだよね。美男、美女で。」
と、言われているのを耳にする。

栞那は、俺のだ
と、叫びたくなる。

そんな風に見ると
だんだん全てがそう見えてくる。

行事もさけるようになり
栞那から訊ねられ
イライラして抱く
そんなこともあった。

もとから、俺は甘い言葉とかを
はくタイプではない。
それでうまく言えずにいた。

そんな時に神戸への異動に
俺は逃げる事にした。

田中から、栞那と十川さんの
食事風景の写真を見せられて
やけ酒みたいに飲み
田中を抱いてしまった。

神戸に行く前に
田中から呼ばれて
妊娠を告げられた。
「一緒に行く?」
と、訊ねると
うん。と頷く田中と一緒に
行く事にした。

田中の両親と俺の両親に
連絡をして神戸で落ち着いたら
式を挙げたい事を話した。
お腹に赤ちゃんがいることは
驚かれたが許しを得られた。

田中の部署は、受付だが
引き継ぐ事もなく
直ぐに退社となった。

その時に、栞那の仲良しの山本や
十川さんや同期
栞那の課の人達、
営業一課の俺達の事を
知っている皆から
責められた。

お前ら知らないだけだ
俺から栞那を奪ったのはこいつだ
と、叫びたくなるのを
我慢していると
専務が声をかけてくれて
それぞれがバラけた。

俺は会社の出口に向かい
そこでまっていた田中の手を取り
急いでマンションに戻り
田中を抱き潰した。

赤ちゃんの心配をする田中を無視して。

何度も何度も、欲がなくなるまで
「·····もぅ···むりっ···アァ·····ン·····」
「だまっ····てろっ····うっ·····」
うつ伏せにして、後ろから繋がり
上に乗せ、下から突き上げ
シャワーを浴びながら
意識を飛ばす田中にシャワーをかけ
呼び戻し、脱衣場に座らせ
また、入れる。

意識のない田中をフローリングに
寝かせて、またつながり
俺も意識を失くすように倒れた。

寒さに目を覚ますと
田中も裸のままだったから
シーツを変えて、湯をはり
田中を抱き上げて
湯船に浸かりながら、
寝ている田中の中に入り
ベッドへと寝かし
俺も横になる。

次に目が覚めたのは夜だった。
田中は、起きていて
軽い物を作ってくれていて
それを二人で食べた。
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