ひと雫ふた葉 ーprimroseー
「どうした、柴樹。主はあれか? 今の世で言うロリコン、とかいうやつか?」
「なっ!? ち、違う!」
黙って朱紗を見つめていたせいでとんでもないことを言われてしまう。
もちろん俺にそんな性癖はないし、そもそも……。
「朱紗は男の子でしょ!」
「おや、そうか。ならばショタコン、になるのか?」
「だから違うって!!」
神、様……なんだよな。
俺の想像した姿の朱紗と中身がマッチしすぎてその存在を疑いたくなってしまう。いや、むしろなんだか朱紗の方から合わせにいってる気が……。
「そろそろおふざけは終わりにしようか」
「やっぱり……」
くすくすと小さく笑ったあと、朱紗は説明し出した。
「ここは我がが許しを与えた者だけが訪れることのできる場所。所謂、神域と呼ばれるところだ。話には聞いたことがないか?」
「うん、聞いたことあるよ。確か、ここに招待された者は向こう側へ行くことが決まってしまうって……え!?」
嘘だろ、それって俺がもう……!